ピアノ  イェルク・デームス

第7回スプリングコンサート、第6回定期演奏会
  わずか14歳でウィーン楽友協会のコンサートでデビュー。ベートーヴェンやシューマンの連続演奏会等を開き、大成功を収め、1947年には同協会から栄誉 賞を受賞し、ヨーロッパ音楽界より一 躍注目を集める。イヴ・ナット、ワルター・ギーゼギング、ウィルヘルム・ケンプ、イヴァン・フィッシャー、アルトゥール・ミケランジェリのもとで研鑽を積み、'56年ブゾーニ国際コンクール1位を獲得を機に国際的名声を不動のもの にした。
  以降、世界各地の著名ホールでのリサイタルや、音楽祭には常連として招かれ、カラヤン、クリップス、ゼッキ、サヴァリッシュ、小澤征爾などの著名指揮者と協演のほか、ヴァイオリンのスークやフルートのガロワ、世界的名 歌手のディスカウ、シュワルツコップ、アメリング、マティス、アダムなどの名演奏家とも度々共演し、好評を博している。また、アメリカ、アジア、オーストラリア各地でコンサートツアーを定期的に行っており、日本には1961年 初来日。以来全国各地でリサイタルを行い、ドイツロマン派の大家として広く支持されている。
  また、オリジナル古楽器の収集と演奏にも定評があり、'70年ベートーヴェン生誕200年にはボンでのベートーヴェン・ フェスティバルにて、ベートーヴェンの使用したハンマーフリューゲルを演奏する栄誉を得た。
' 97年のシューベルト・イヤー記念として、ウィーン でのシューベルト200年誕生日コンサートに出演している。
 多くの録音は数々の国際的な賞を受賞し、現在までに400を越えるLP、CD、Video、DVDが出版されている。特に、フィッシャー=ディスカウとのシューベル・トシリーズは今も尚、ベストセラーとして人気を博している。彼はまた、積極的に著作や楽譜の編纂も携わり、エッセイでは「解釈の冒険」、スコダとの共著「ベートーヴェンのソナタ」がある。ウィーンの巨匠としてバックグランドに裏付けられた溢れる詩情と、限りなく美しい抒情性、そして作品に対する情熱は、聴衆に切々と訴えかけ、深い感動を呼んでいる。